啓蒙.00:あらすじ
『Bloodborne』(2015年)
舞台は、万病を治す独自の「血の医療」で栄えた古都ヤーナム。不治の病を患い「青ざめた血」を求めてこの地を訪れた主人公は、怪しげな輸血を受けた直後、異空間「狩人の夢」へと導かれ、夢の主であるゲールマンのもとで「狩人」となる。当時のヤーナムは医療の副作用たる「獣の病」が蔓延しており、狂気にとらわれた群衆が自らも獣へと成り果てながら狩りを行う、終わらない獣狩りの夜の渦中にあった。
狩人は悲劇の元凶を探るべく街を深く探索し、やがて聖堂街で巨大な獣と化した教区長エミーリアを倒す。祭壇に残された記憶から、医療教会の創設者ローレンスが、師であるビルゲンワースの学長ウィレムによる「血を恐れよ」という警告を無視し、禁忌である未知の「古き血」に手を出した歴史が明らかとなる。
ルーツを求め学び舎ビルゲンワースに至った狩人は、湖底に潜む怪物「白痴の蜘蛛、ロマ」を討伐する。すると世界の覆いが剥がれ落ち、空には狂気の「赤い月」が顕現する。街の至る所に人知を超えた神々「上位者」の姿が露わとなり、どこからともなく赤子の泣き声が響き始める。獣の病とは、上位者の存在に触れた人類が狂奔した副次的な結果に過ぎず、世界の真の恐怖がここに開示される。
狩人は儀式を進める「メンシス学派」を追い、彼らの精神が創り出した異界「メンシスの悪夢」へ侵入する。最奥にて上位者の赤子を守る「メルゴーの乳母」を死闘の末に打ち倒すと、赤子の泣き声は途絶え、夜の元凶たる儀式は終焉を迎える。
役目を果たし「狩人の夢」へ戻ると、拠点の工房は燃え上がっていた。ゲールマンは狩人に労いの言葉をかけ、彼を現実世界(朝のヤーナム)へと送り返すため「自らの手で介錯を与える」と申し出る。この選択と、それまでに得た「啓蒙」の深さにより、物語は3つの結末へと分岐する。
結末1:ヤーナムの夜明け
提案を受け入れた狩人は首を刎ねられ、夢から解放される。夜明けを迎えたヤーナムで目覚めた主人公は、一夜の悪夢を忘れて一人の人間として生きていくが、狩人の夢そのものは新たな犠牲者を求めて存続し続ける。
結末2:遺志を継ぐ者
介錯を拒み、ゲールマンを倒した狩人の前に、夢の真の黒幕である上位者「月の魔物」が降り立つ。抗う力を奪われた狩人はその抱擁を受け、ゲールマンに代わる新たな「夢の主」として、永遠に車椅子で次の狩人を待ち続ける。
結末3:幼年期の始まり
隠されたキーアイテム「3本目のへその緒」を3つ使用し、高い啓蒙を得た狩人は「月の魔物」をも討滅する。人の領域を超越した狩人はナメクジのような奇妙な姿へと変貌を遂げ、新たな「上位者の赤子」として、人類の未知なる進化の始まりを告げる。
血と神秘の認識論:『ブラッドボーン』の悪夢と上位者を解読する15の思索
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